公益社団法人新化学技術推進協会(JACI)

ニュースレター

ニュースレター 95

    1. JACI会長就任にあたって
    2. 著者:公益社団法人 新化学技術推進協会 会長 福田 信夫
    3. 「Chemistry for the Next Generation」 ~まだ答えのない問いへの飽くなき挑戦~ 第15回JACI/GSCシンポジウム開催報告
    4. 著者:JACIトピックス
      2026年6月16日・17日の2日間、一橋講堂にて「第15回JACI/GSCシンポジウム」が「Chemistry for the Next Generation ~まだ答えのない問いへの飽くなき挑戦~」をテーマに開催されました。会場とオンラインを合わせてのべ1,330名の産官学関係者が結集し、最先端且つ示唆に富むご講演やGSC賞表彰、初実施のポスターパレード、AIと化学研究の未来を探る対談など多角的かつ熱い議論が展開されました。次世代の化学への挑戦者達の熱気に満ちた2日間の模様を報告します。
    5. [経済産業大臣賞]省エネ通信を実現する活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤の事業化
    6. 著者:DIC株式会社 有田 和郎、岡本 竜也、鈴木 悦子、下野 智弘
      生成AIやクラウドサービスの急速な普及により、社会を行き交う情報量は飛躍的に増大している。大量の情報を高速で伝えるには電気信号の高周波化が必要となる一方、周波数が高くなるほど、プリント配線板を通過する信号の一部が熱として失われやすくなる。DICは、この「通信に伴うエネルギー損失」を材料の分子構造から低減することに挑戦した。エポキシ樹脂の硬化反応そのものを見直し、硬化時に極性の高い水酸基を生成しない多官能活性エステル型硬化剤(MFAE)を世界で初めて工業化した。本材料は高速通信の省エネルギー化を支えるとともに、生成AI時代を支える材料技術へと発展している。
    7. [文部科学大臣賞]資源自律に貢献する非貴金属ナノ触媒の創出
    8. 著者:大阪大学 大学院基礎工学研究科 満留 敬人
      近年、エネルギー・資源・食料をめぐる国際情勢が不安定化するなか、海外の希少資源への過度な依存を抑え、国際的な供給途絶リスクに強い産業基盤を築く「資源自律」の重要性が高まっている。とりわけ化学産業では、多くの触媒が白金族などの希少資源に依存しており、豊富な元素を基盤とする触媒への転換が求められている。私たちは、豊富で安価、低毒性の鉄を基盤に、共有結合によって高活性と大気安定性を両立する非貴金属ナノ触媒を開発した。
    9. [環境大臣賞]多様な使用済みプラスチックを用いた資源循環事業の構築 ~技術磨いて安定運転体制確立~
    10. 著者:株式会社レゾナック
      使用済みプラスチックを化学原料として再生するレゾナックのガス化ケミカルリサイクル事業が、GSC賞環境大臣賞を受賞した。2003年の商業運転開始以来、累積120万トン超の使用済みプラスチックを処理し、20年以上にわたり事業を継続してきた。多様な使用済みプラスチックを受け入れる高い原料適応力と、長年にわたり培った運転・保全技術を強みに、循環型社会の実現に貢献している。近年は資源循環モデル「CirculaC」を掲げ、循環経済と脱炭素の両立に向けた取り組みを加速させている。
    11. [奨励賞①]低温蒸気でCO₂を回収するアミン担持吸着剤プロセス
    12. 著者:川崎重工業株式会社 奥村 雄志、西部 祥平、田中 一雄、安原 克樹、真鍋 賢
      カーボンニュートラル社会の実現に向けて、発電所や産業設備から排出されるCO₂を効率よく分離・回収する技術の重要性が高まっている。川崎重工業は、多孔質基材にアミンを担持させたアミン吸着剤を用い、約60℃の低温蒸気でCO₂を回収するKawasaki CO₂ Capture(KCC)システムを開発している。未利用排熱の活用や連続運転に適した移動層方式により、省エネルギー型のCO₂分離回収技術として社会実装を目指している。
    13. [奨励賞②]海洋生分解性PA4真球粒子およびバイオ原料化技術の開発
    14. 著者:東レ株式会社 小宮 健、土田 紘也、児玉 篤樹、東原 武志、 松本 英樹
      化粧品等のライフサイエンス用途製品に含まれるポリマー微粒子は、製品の感触向上に重要な役割を果たしている一方、近年のマイクロプラスチック問題により各国で規制が進み、代替材の開発が求められている。東レは、生分解性と海洋生分解性を兼備したポリアミド4(PA4)による代替を目指し研究開発を進め、独自の重合・分子構造制御技術と加工技術により真球粒子化に成功し、生分解性と良好な官能特性を両立し、その量産化技術を世界で初めて確立した。さらにバイオマス由来原料からの製造技術も確立し、MPB代替や枯渇資源への依存低減への貢献が期待される。
    15. [奨励賞③]精密発酵によるトマト由来機能性成分リコピンのグリーン・サステイナブル生産技術とその社会的価値
    16. 著者:ファーメランタ株式会社 柊崎 庄吾、中川 明、新谷 隆史、増田 直之、杉本 明日成
      リコピンは強い抗酸化作用を持ち、健康機能素材として世界的な需要拡大が期待される一方、従来のトマト抽出法は、広大な農地や大量の灌漑用水を必要とし、天候による収量変動や農薬・重金属リスクなど、安定供給と環境負荷の両面に課題を抱えている。ファーメランタは、合成生物学と精密発酵を組み合わせ、大腸菌を細胞工場として再設計することで、農業に依存せず高純度リコピンを生産するプラットフォームを構築した。LCA比較試算では、従来法に比べ温室効果ガス排出量を約99.89%削減できる可能性を示しており、持続可能な機能性原料供給の新たな選択肢を提示している。
    17. [奨励賞④]高安定樹脂の資源循環を拓くケミカルリサイクル法の開発
    18. 著者:国立研究開発法人産業技術総合研究所 南 安規
      我が国は、プラスチック資源循環戦略の中で2035年までに「すべてのプラスチックの100%リユース・リサイクル」を掲げている。この達成に向けてリサイクル技術の革新が必須である。受賞者は、スーパーエンジニアリングプラスチックやエポキシ樹脂に代表される高安定ポリマーを簡便に化学分解できることを明らかにし、モノマーまたはその原料化合物を再製造でき、炭素繊維など複合化されている有価値部材を回収できることを示した。
    19. [奨励賞⑤]ケイ素化合物を用いたリン酸類の一段階エステル化反応による下水汚泥焼却灰のケミカルリサイクル
    20. 著者:国立研究開発法人産業技術総合研究所 永縄 友規
      下水由来リンを高付加価値な機能性化成品へと変換する技術として、下水汚泥焼却灰から回収した粗リン酸を直接原料とするリン酸エステル製造法を世界に先駆けて開発した。その鍵となったのは、ケイ素化合物であるテトラアルコキシシラン類をエステル化剤として活用する独自の反応設計であり、水分や夾雑イオンを含む粗リン酸からでも効率的にリン酸エステルへ変換することに成功した。本成果は、従来は肥料用途が中心であったリン資源の再利用を製造業分野へと拡張するものであり、リン資源の国内循環の促進と資源安全保障の強化、さらには脱炭素社会の実現に貢献する革新的なケミカルリサイクル技術である。
    21. 第26回GSC賞募集
    22. 著者:JACI広告
      第26回GSC賞を募集しています。応募締切は、web申請入力が11月20日(金)です。
    23. 第20回GSC STGA募集
    24. 著者:JACI広告
      第20回GSC STGAを募集します。応募締め切りは10月26日(月)です。