公益社団法人新化学技術推進協会(JACI)

ニュースレター 95

[環境大臣賞]多様な使用済みプラスチックを用いた資源循環事業の構築
~技術磨いて安定運転体制確立~


著者:株式会社レゾナック

 レゾナックは2003年以来、使用済みプラスチックを原料として合成ガス(水素および一酸化炭素)を製造し、アンモニアなどの基礎化学品へと転換する資源循環事業を継続している。使用済みプラスチックを原料とするガス化ケミカルリサイクル設備として、世界でも類例のない長期商業運転を実現している。性状・組成・供給量が不安定な原料に対し、設備劣化、金属異物や汚れの混入、炉内摩耗、稼働停止や減産など数多くの課題に直面しながらも、設備設計の改良、運転・保全技術の高度化に加え、前処理や品質管理を含むプロセス全体の改善を積み重ねてきた。その結果、多様な使用済みプラスチックを選別せずに受け入れられる高い原料適応力、いわゆる「雑食性」を備えた安定運転を実現してきた。廃棄物処理分野では、原料品質の変動や設備トラブル、コスト構造の変化などにより長期的な事業継続が難しいケースも少なくないが、レゾナックはこうした不確実性を克服しながら事業を継続しており、商業運転実績そのものが技術の実用性と信頼性を示している。
 同事業の低炭素性については、ISO規格に準拠した第三者機関によるライフサイクルアセスメント(LCA)で検証されており、環境価値も高い。さらに、プラスチックのみならず混紡繊維など、従来リサイクルが困難とされてきた素材への適用拡大も進めており、資源循環型事業モデル「CirculaC」として推進している。これは企業や自治体から回収したプラスチックなどをリサイクル由来製品として社会に供給する循環の全体像を示すものである。プラスチックなどを同一用途へ戻すクローズドループだけでなく、基礎化学品へ転換して幅広い製品に活用する「プラtoケミカルズ」というオープンループ型資源循環を実現する点が特徴である。各国で循環経済や脱炭素化に向けた動きが加速する中、ガス化ケミカルリサイクルへの関心も高まっている。普及に向けた取り組みの一つとしてライセンス供与の可能性についても検討しており、循環経済と脱炭素の両立に向け、その社会実装の拡大に取り組んでいる。
資源循環型事業モデル「CirculaC」概念図