【シリーズGSC入門 GSC賞を受賞した社会的実践事例から学ぶ】
世界規模で、資源やエネルギー、地球温暖化、水や食糧などの課題がますます深刻になり、複雑になっています。それらの課題を解決し、社会の持続可能な発展に向けて、環境保全と社会・経済発展を両立させるイノベーションが求められており、GSC への期待は高まる一方です。このテキストシリーズでは「GSC とは何か」を理解し、私たちみんなが持続可能な社会の担い手になることをめざして、GSC の推進に貢献したすぐれた業績に贈るGSC 賞を受賞した技術や製品を解説します。
英語版はこちら。
最新号
No.8
第8回GSC賞 経済産業大臣賞受賞(2008年度)
クメンを循環利用するプロピレンオキサイド新製法の開発と工業化
住友化学株式会社
住友化学株式会社は、ポリウレタンなどの原料として使われるプロピレンオキサイドの新しい製造法を開発しました。
プロピレンオキサイドだけを効率よく生産できるとともに環境負荷の低減を実現しました。
特別号
特別号
『SDGs入門』(GSCはSDGsのけん引役)
SDGsとは、国際連合が採択した世界共通のゴールで、持続可能な開発を達成するために経済と社会、環境の三要素を調和させることが不可欠だとしています。この考え方は、社会の持続可能な発展に向けて、環境保全と経済発展の両立をめざすGSCと共通しています。このテキストは特別号として、SDGs をGSC の視点で解説し、みなさんに考え、実践してもらうことをめざします。
No.1
第12回GSC賞 経済産業大臣賞(2012年度)
サステイナブル社会を先駆けた新しいお洗濯提案
花王株式会社
花王株式会社は、持続可能な社会を目指してLCAの観点から洗剤をとらえ、製品をコンパクト化するとともに、すすぎ回数を従来の2回から1回ですむ洗剤を開発。すすぎ1回を通じて、消費者とともに環境負荷を低減する新たな洗濯スタイル「いっしょにエコ」を提案しました。
No.2
第2回GSC賞 経済産業大臣賞(2002年度)
副生CO2を原料とする新規な非ホスゲン法ポリカーボネート製造プロセス
旭化成株式会社
旭化成株式会社は、これまで大気中に排出していた副生成物の二酸化炭素を原料として、ポリカーボネート樹脂を製造することに成功しました。この製法では、原料にホスゲンなど有毒物質を使わず、排水や廃棄物の発生を抑制しました。これは、環境性、社会性、経済性に優れた画期的プロセスです。
No.3
第13回GSC賞 経済産業大臣賞(2013年度)
航空機の軽量化を可能とする炭素繊維複合材料の開発
東レ株式会社
東レ株式会社が開発した炭素繊維複合材料の一つである炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastic: CFRP)は、航空機の機体の軽量化を実現しました。航空機が軽量化されると、その分たくさんの人や貨物を乗せ、より遠くまで飛行できます。エネルギーを節約し、二酸化炭素の排出量を抑えることができるので、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減に貢献します。
No.4
第14回GSC賞 経済産業大臣賞(2014年度)
植物由来原料を用いた高機能透明プラスチックの開発と商業化
三菱化学株式会社(現 三菱ケミカル株式会社)
三菱化学株式会社(現 三菱ケミカル株式会社)は、再生可能資源から作られるイソソルバイドを主原料とした透明エンジニアリングプラスチックを開発し、商業化に成功しました。再生可能資源を利用した独自のプロセスにより環境負荷を低減しただけでなく、耐衝撃性や耐候性に優れるなど製品の性能を画期的に向上させています。
No.5
第15回GSC賞 経済産業大臣賞、環境大臣賞 同時受賞(2015年度)
世界の水問題解決に貢献する高機能性逆浸透膜の開発
東レ株式会社
東レ株式会社は、透水性や除去性、耐汚れ性に優れた高機能性逆浸透膜を開発しました。省エネと高水質の両方の機能を兼ね備えた膜は、世界の水問題の解決に貢献する画期的な技術として注目されています。
No.6
第17回GSC賞 経済産業大臣賞受賞(2017年度)
高充電性・高耐久性を両立した低環境負荷アイドリングストップ車用バッテリの開発
日立化成株式会社(現 エナジーウィズ株式会社)
株式会社日立製作所
日立化成株式会社(現 エナジーウィズ株式会社)が開発したアイドリングストップ車用バッテリは、高耐久性を実現し、また短い時間で充電できる高充電性を備えています。
このバッテリを搭載した自動車は燃費がよくなり、地球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素の削減に貢献しています。
No.7
第18回GSC賞 経済産業大臣賞受賞(2018年度)
インクジェット用水性インクによる軟包装フィルムへの印刷の実現
花王株式会社
花王株式会社は、日用品や食品の包装で使われるプラスチックフィルム印刷向けの「インクジェット用水性インク」を開発しました。高画質でありながらも、揮発性有機化合物がほとんど排出されないため、環境負荷を低減させることができました。