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GSCの評価

GSCを推進するためには、研究開発と並行して技術をGSCの物差しで評価することが必要です。GSCNでは、専門のワーキング・グループにおいてGSCの評価尺度の確立を検討し、いくつかの評価手法を提案しました。代表的な評価手法として、簡易型レーダーチャートを用いた「四軸法」を紹介します。

四軸法は、GSC賞選考の際にLCA(ライフサイクルアセスメント)評価の手法として活用されていました。(現在でもその基本的な指標は、評価基準に反映されています)

四軸法は、下記の4つの指標で技術を評価します。いずれの指標も標準製品(既存技術)を1とした改善程度を相対値で表します。

(a) エネルギー軸(もしくは、CO2軸)

ライフサイクルエネルギーをMJ(メガジュール)単位で、あるいはライフサイクルCO2をton単位で表現して評価します。

(b) バージン資源軸(Virgin)

金属類は鉄換算で、酸化物はシリカ換算で、石油化学製品は原油換算で、バイオマスは木材換算で評価します。いずれも金銭価値を係数として換算します。リサイクルされた材料はバージン資源軸に含めません。

(c) 埋め立て量軸(Landfill)

埋め立ての体積を?単位で評価します。焼却による中間処理を行う場合は発生CO2量に換算します。

(d) 一般環境軸(Emission)

BOD, COD, NOx, SOx, VOC, 有害固形廃棄物、廃水量などをあてはめます。

BOD 生物化学的酸素要求量(Biochemical oxygen demand)は、生物化学的酸素消費量とも呼ばれる最も一般的な水質指標。
COD 化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)は、水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量で示したもの。酸素消費量とも呼ばれる。
NOx, SOx 窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の略称。人体に影響を及ぼす代表的な大気汚染物質。
VOC 揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)は、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称のこと。

結果はレーダーチャートで表します。一例として、第1回GSC賞を受賞した「水性塗装システム(日本ペイント株式会社)」のレーダーチャートを示します。

参考文献:I. Yasui, 有機合成化学協会誌, 61, 419-424 (2003)

(2015年1月29日更新)

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