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協会概要

フロンティア連携委員会

下記の5つの技術部会を中心にして、最先端技術動向の把握、産学官交流・連携の推進、ボトムアップによる課題の発掘と提案、産学官の若手研究者の育成を進め、新産業の構築に繋がる革新的技術の創生を図ります。
また、大学、公的機関などの新化学を研究する若手研究者の研究活動を支援するため、「新化学技術研究奨励賞」を選定し、副賞として100万円を授与します。毎年度分野ごとに特定のテーマを設定し、公募を行います。

先端化学・材料技術部会
部会長  昭和電工株式会社 内田 博
先端領域の化学技術革新への挑戦を主題として、以下の3つの分科会を通じて触媒材料、新素材ならびにコンピュータケミストリ分野の技術動向調査や産・官・学の交流ならびに連携活動を行います。

■高選択性反応分科会
化学反応に関する重要研究課題や、革新的触媒反応プロセスのシーズなどを調査し、支援して行くことにより日本の化学産業の競争力強化につなげるとの方針に基づいて活動しています。これにあたり、環境負荷低減(低環境負荷原料の使用、廃棄物排出量の削減、有害物質の排出量削減、省エネルギー、省資源など)を重要な課題としながら、新技術によって生み出されたナノマテリアル等の新材料や、超臨界やメンブレンリアクターのような特殊な反応技術が触媒反応の分野に対してどのような可能性(新しい触媒担体や反応場構築として)を秘めているかを中心に調査活動を行っています。
今年度も引き続き、先端材料の製造やこれらをデバイス化する際のプロセスや環境負荷の視点から調査を行い、先端研究者による講演会の企画、関係機関への訪問を積極的に行う予定です。また化学工学プロセスに関する若手研究員向け講習会として、より実務的な内容の講習会や、触媒技術に関する講習会なども予定しています。
<具体的な活動内容、計画>
・ 分科会の会合を年6〜7回、JACI事務所で開催し、注目する研究者の講演会、後述の現地分科会、技術セミナー等を企画する。講演会は原則、分科会と同日、開催する。
・ 年1回、公的研究機関等を訪問する現地分科会を開催する。H24年度は、産総研環境化学技術部門を訪問した。
・ 化学工学等のより実務的な技術について講義をする技術セミナーを年1回開催する。

■新素材分科会
近年、「ナノ」をキーワードに新たな機能を発現する素材・複合材が開発・提案され、その適用範囲はエレクトロニクス、バイオ、エネルギー・環境分野と多岐にわたっています。新素材分科会では、新規材料を発明発見するだけではなく、世の中で求められる社会的、経済的な価値の提供、即ちマテリアルソリューションに繋がるマテリアルインベンションに焦点を当てていくこととし、@従来にない新しい機能を発現する材料 A従来の延長線上を大きく超えた機能発現レベルの材料  B既存材料の機能を代替できる環境に優しく汎用・安価な材料 という観点で、インパクトのある話題や研究成果に焦点を当て、自由な議論をできる機会を提供していきます。
新素材の適用領域は多岐にわたるので、エネルギー問題、資源問題、環境問題等の解決に向けた社会的、経済的な価値を生むことが期待されます。そこで、本分科会では想定材料の出口に応じて、適宜他の分科会との共同開催や、その効果の共有化を図りながら進めていく予定です。
<具体的な活動内容、計画>
・ 分科会の会合を年5〜6回、JACI事務所で開催する。分科会メンバーで議論し、注目する研究者の講演会、後述の現地分科会、技術セミナーを企画する。講演会は原則、分科会と同日、開催する。
・ 年1回、公的研究機関等を訪問する現地分科会を開催する。H24年度は、NIMS、JAXA、KEKを訪問した。
・ 新素材の基礎的な技術について講義をする技術セミナーを年1回開催する。

■コンピュータケミストリ分科会
各企業担当者の技術水準向上のために具体的な課題を設定し、実際に計算・解析するワーキンググループ(高分子WG、次世代CCWG)活動を行います。
これらワーキンググループの活動の中では、ワーキンググループ活動の成果を積極的に学会発表すると共に、報告書として発行します。さらに企業研究者の抱える共通の技術課題を学会等へ積極的に発信するとともに、他の分科会等との技術横断的な協業も含めて、広く解決策を模索していきます。

<具体的な活動内容、計画>
・ 主な活動はWG単位で行うが、分科会全体の幹事会を、年5回程度JACI事務所で開催し、各WGの連携や分科会の全体運営に関わる議論を行う。

○高分子WG
高分子シミュレーション技術セミナーを企画、運営し「ソフトマテリアル統合シミュレータOCTA」の活用研究を深めていきます。 また最新の研究動向や、高分子物性全般に関する実現象の理解を高めるために講演会も開催します。
<具体的な活動内容、計画>
・ 月1回技術セミナーを、基本的にJACI事務所(時々、名古屋等でも開催)で開催し、個人やグループで取り組んでいる問題に対して議論を行う。
・ 年数回、関連する研究者の講演会を企画し、開催する。
・ 初学者を対象として、OCTAの基本的な操作方法や、基礎理論の勉強会も行う。

○次世代CCWG
次世代計算化学技術セミナーを企画、運営し、量子化学計算ソフトウエアの活用事例及び使用方法のノウハウを共有化し、各社に持ち帰って応用展開にできるよう教育します。更に講演会を開催し、最先端の量子化学の情報と応用展開に必要な情報を入手します。
<具体的な活動内容、計画>
・ 月1回技術セミナーを、JACI事務所で開催し、個人やグループで取り組んでいる問題に対して議論を行い、顧問の先生からのご指導を受けながら問題を解決します。
・ 年数回、基礎理論の開発、応用展開に関する検討をされている研究者の講演会を企画し、開催します。
・ CCの初学者にも、指導し、独力で量子化学を研究に活用できるよう指導します。

○高分子調査・研究WG
高分子シミュレーションの世の中の動向を調査するとともに、当該分野のこれまでの成果を集約した、教科書的な書籍の編集活動を進めていきます。
<具体的な活動内容、計画>
・ 月1回、WGの会合を開催し、上述の事項に関する議論、活動を行う。



ライフサイエンス技術部会
部会長   株式会社日本触媒 向山正治
ライフサイエンスは、国の成長戦略の中で重点分野として位置付けられており「ライフ・イノベーション」はもちろんのこと、「グリーン・イノベーション」の推進にも関わる重要な技術分野であり、医学・医療・福祉や、地球規模での資源・環境・エネルギーにおける課題等の解決に益々の貢献が求められています。一方で近年の科学技術の発展に伴い、ライフサイエンスの技術が他の領域の技術と複合化することによって初めて生み出されるものが増えてまいりました。生物学は化学や物理学と結びつくことにより、新たな応用分野を拡げつつあります。
ライフサイエンス技術部会は、こうした状況を踏まえ、化学産業の立場からバイオテクノロジーの成果のさらなる社会還元を志向し、医薬や診断技術に限定しない医療分野や、新素材、環境、エネルギーなどの分野に波及する重要テーマの見極めに重点を置いて調査活動を行います。具体的な調査テーマとして、
1)医療、健康、化粧品などQOLの向上に関わる材料開発
2)生体分子の構造・機能を生かした新規材料
3)ゲノム、遺伝子の利用、新規微生物の利用
4)バイオリファイナリー、代謝工学、バイオコンバージョン
を検討します。活動は基本的に領域を2つに分けた分科会単位で行いますが、境界領域の話題については、必要に応じて部会全体や他部会の分科会との連携のもとで検討します。各分科会では、新規有望技術の抽出と産業利用の可能性について各々年5回程度の会合による議論と講演会を中心に調査活動を行います。また、テーマ調査上で有用と思われる現場の見学会も行う予定です。 上記の方針の下で活動しますので、これらの活動の企画運営に参加いただけるメンバーを大歓迎します。

■ライフサイエンス-材料分科会
領域は上記テーマの1)、2)、3)。所謂“ナノバイオ”と称される領域にも重なる部分が多い内容と考えています。化学産業の立場から、生理活性やセンシングなどを踏まえた新素材開発、分子の自己組織化を利用した新しい産業材料の開発などを中心に調査します。当分科会では特に、化学産業以外の、出口に関わる他産業メンバーの加入も歓迎します。 
<具体的な活動内容、計画>
・分科会: 年5回開催し、活動内容についてメンバー間で協議します。領域に関係する企業や組織へ訪問・見学させていただく現地分科会も予定しています。
・講演会: 再生医療や医用材料、蛋白質等の生体分子の利用、食品・化粧品、バイオミメティック・バイオインスパイアード材料、など、メンバーの要望に基づいた課題の講演会を、年に5回程度開催します。
・技術セミナー: 反応分科会と連携し、ライフサイエンス部会の領域に関するセミナーを企画運営します。
・新化学技術研究奨励賞: 課題の検討や一次審査を行います。

■ライフサイエンス-反応分科会
領域は上記テーマの3)、4)。対象物には精密化学品も含め、バイオプロセス利用分野の新しい動向(吸着、分解反応も含む)を調査します。バイオマス利用技術はエネルギー・資源技術部会のバイオマス分科会でも取り上げるため、同分科会とは情報交換を行いながら、当分科会のバイオリファイナリーでは、主にバイオマス分解以降の代謝制御技術等に焦点を当てて調査します。
・領域は上記テーマの3)及び4)。反応生成物には各種精密化学品のみならず汎用化学品を含みます。特に、反応プロセスの現状と新しい動向把握(代謝制御技術を中心とした素反応開発及びプロセス開発)に重きを置いて調査します。またそれらの技術開発に必須な基礎代謝制御の解明に関する事項についても調査します。
 
□その他
部会全体での活動として、企業の若手研究者や専門領域外の社員を主な対象とした技術セミナーの企画と実施、今年度の研究奨励賞の課題設定と一次審査、過去の研究奨励賞受賞者の成果発表会を行う予定です。

当部会活動は、自由闊達な雰囲気の中で情報交換や人脈作りを行い、自己研鑽にも役立つ場ですので、若手研究者を含む多方面からの多くのご参加を期待します。



エネルギー・資源技術部会
部会長  住友ベークライト(株) 山森 義之
地球温暖化、世界規模での人口増加、新興国を中心とする活発な経済活動に伴い、エネルギー・資源に関する問題は、持続可能な地球のために科学技術が真摯に長期的視点で取り組むべき課題となっています。特にこの1〜2年は東日本大震災による原子力発電所の事故や、シェールガス革命によりエネルギー供給の基盤が大きく変わろうとしております。
当技術部会は、こうした状況を踏まえ、化学産業の立場からエネルギー・資源問題に焦点を当て、あるべき低炭素社会に向けて、バイオマスも含めた創エネ、蓄エネ等のエネルギー分野、及び希少元素を含む資源関連分野に関わる新規材料や部材・技術に関する講演会、ワーキンググループ活動、調査報告等を行います
活動は基本的に下記の3つの分科会単位で行いますが、境界領域の話題については積極的に部会全体や他部会の分科会と連携を取りながら活動を進めます。各分科会では、関連分野の最新技術動向、有望材料・技術の抽出に努めます。 

■エネルギー分科会
エネルギー分科会ではバイオマスを除いた創エネ、蓄エネに関する有望な材料、部材、技術、あるいはこれにつながる萌芽的研究を取り上げます。具体的には、1)太陽光発電、光触媒反応などの太陽光の利用や他の再生可能エネルギーも含めた創エネに関する研究開発、2)二次電池・キャパシタ等の蓄エネに関する研究開発、等が挙げられます。

■バイオマス分科会
バイオマス分科会では石油資源由来のエネルギーや製品を生物資源を用いて置き換える技術、材料、プロセスを取り上げます。具体的には、1)バイオマスの生物的分解(主に糖化)、2)バイオマスの物理・化学的手法による分解、3)バイオマスの効率的生産(培養、栽培)と収集、4)バイオマス原料・中間品・製品の利活用等が挙げられます。1)については、ライフサイエンス技術部会の反応分科会とも連携して活動を行います。

■資源代替材料分科会
資源代替材料分科会では、各種の原材料や燃料などを資源であると捉え、そういった資源の供給不安や急激な価格変動による経済的影響を抑えるための技術として、希少な元素や原料を用いることなく機能を代替するための技術や、そのための材料開発に注目します。具体的には、1)白金族元素を用いない高選択性触媒、2)希少元素を用いない高機能電子デバイス用部材、3)化石燃料を用いない低環境負荷・高効率発電プロセス用部材等が挙げられます。その適用領域は多岐に亘るので、先端技術部会、新素材分科会や他の技術部会、分科会とも積極的に連携を図りながら活動を進めていきます。


<具体的な活動内容、計画>
各分科会共に下記の項目・頻度を目安に活動を進めます。
・講演会の企画・開催(5回/年程度。過去の実績はJACIホームページで確認ください)
・現地分科会の企画・開催(1回/年程度。過去の実績:LIBTEC、山梨大、花王和歌山、デンソー、等)
・外部委託調査(過去の実績:エネルギー分科会1件、バイオマス分科会2件)
・研究奨励賞の課題設定、一次審査

□その他
技術部会全体の活動として、企業の若手研究者や専門領域外の社員を主な対象とした技術セミナーを企画・実施し、過去の研究奨励賞受賞者の成果発表会も行う予定です。当部会活動は、自由な雰囲気を保ちながら情報交換や人脈作りを行い、自己研鑽にも役立つ場ですので、若手研究者を含む多方面からの多くのご参加を期待します。特に活動の企画運営に参加いただけるメンバーを大歓迎します。



電子情報技術部会
部会長   新日鉄住金化学(株)  藤城 光一
近年、電子情報技術分野のキーデバイスおける材料やプロセスの技術革新は目覚しく、大きな転換期を迎えようとしています。また、地球環境に配慮した技術に対するニーズが高まるとともに、従来とは異なる分野への展開、浸透が期待されています。そのため、化学をはじめとして物理学、生物学、電子工学、機械工学等の学術・技術・産業分野の連携と交流が一段と求められています。
当部会では新法人の発足に伴い、MEMS-WGおよび次世代エレクトロニクス-WGの分科会と、エレクトロニクス交流会の3つを軸に非常にホットなテーマから次世代に視点を向けたテーマまでの広範囲な領域に活発な活動を展開して行きます。
各分科会、交流会が中心となって特定の分野に捉われず、最先端の研究者・技術者との交流を図る活動や勉強会、調査研究ならびに若手技術者・研究者の参画を促進する活動に力を入れていきます。

■ MEMS分科会
MEMS業界における新たな化学材料探索を中心とし、@環境・エネルギー、A医療・福祉、B安全・安心分野を重点分野と捉え、材料を開発する側、ならびに材料を活用しデバイス・システムを開発する側の両面からの調査活動を行います。平成25年度は上記の重点分野の技術とMEMSのさらなる融合を目指した材料探索研究動向の調査研究活動として、気鋭の講師を招聘しての講演会、外部委託調査をおこなう予定です。さらに、関連する他の協会と連携した研究会にも取り組む予定です。
<具体的な活動内容、計画>
・講演会の企画・開催(5回/年程度)*
・外部委託調査(H24年度:メタマテリアル特許技術動向調査)*
・勉強会の企画・開催(H24年度:メタマテリアル)*
・見学会の企画・開催
・新化学技術奨励賞の審査*
  *:平成24年度実施項目

■次世代エレクトロニクス分科会
次世代エレクトロニクス分科会では、新たな価値観に貢献する材料、製造プロセスや市場について、化学との関わりについての認識を深め、更なる応用領域、市場拡大のために化学産業界として取り組むべき課題について議論を進めていきます。平成25年度は、エレクトロニクス材料の革新により発展が見込まれる分野で、@情報通信、A次世代自動車、B次世代発電・送電、C住環境、D医療・健康、において新たに提唱されてきている価値観に焦点を当て、この発展に貢献する化学技術に対する期待と要求、他分野との連携推進、それに資するべき次世代材料技術やプロセス技術にについて議論していきます。具体的には、講演会開催や産学協の訪問を含めた現地分科会の開催、および外部委託調査を中心に活動を行なう予定です。また、若手技術者向けには技術分野を横断的に学ぶ技術セミナーや国際学会などを利用して国際的な潮流を議論する場として活動していきます。

■エレクトロニクス交流会
エレクトニクス交流会は@応用技術、A実装技術、の2つのWGからなり、専門分野の最先端技術動向を把握し、化学関連産業との交流と連携の風土の醸成図ることを主眼としています。具体的には各WGが極めて関心の高いホットなテーマを中心とする講演会・現地分科会などを企画実施します。
<具体的な活動内容、計画>
各分科会共に下記の項目・頻度を目安に活動を進めます。
・講演会の企画・開催(5回/年程度。過去の実績はJACIホームページで確認ください)
・現地分科会の企画・開催(1回/年程度。過去の実績:旭化成(富士)、科学技術館、等)
・外部委託調査(過去の実績:MEMS分科会でメタマテリアル調査)
・国際学会のセッションオーガナイズ(国際フレキシブル&プリンテッドエレクロニクス国際会議)


□その他
各分科会では他の技術部会と同様、研究奨励賞の課題設定と審査を行い、若手研究者の育成を行うと共に、過去の研究奨励賞受賞者の成果発表会も行い、交流を図ります。
また、若手企業人向けに技術基礎講座を開設します。多くの方のご参加を期待します。



環境技術部会
部会長  旭化成ケミカルズ(株) 横田 耕史郎
我が国は、高度成長期の負の側面である公害問題や、二度にわたる石油危機を技術革新の契機として活用することで克服し、世界最高の環境技術を獲得するに至っています。 しかし今日では、数年前まで世界一を誇った太陽光発電や先端部材開発等で、アジア地域を含む諸外国の後塵を拝しており、我が国の環境・エネルギー政策等のグローバル化の停滞によって、当該分野で持つ本来の強みを、必ずしも発揮できなくなっています。
 一方、「新成長戦略」においては、「グリーン・イノベーション」の促進や総合的な政策パッケージによって、我が国が持つトップレベルの環境技術の先鋭化や幅広い国際展開を図り、世界一の「環境・エネルギー大国」を目指すことが唱われています。気候変動を含めた環境・エネルギー問題は、もはや個々の要素技術で対応できる範囲を超えています。従って、安心で快適な生活を持続し、経済発展と環境の両立が可能な低炭素化社会を実現して行くためには、各分野の先端技術を縦糸に、環境技術を横糸として、総合的な視点から体系的かつ相補一体的に、イノベーションを推進して行くことが極めて重要になっています。
 当技術部会は、こうした環境技術の位置づけを踏まえ、各分野との境界・融合領域にも視点を広げ、活動内容の拡充を進めます。グリーン・サステイナブル ケミストリーを基軸に、主として以下の課題について、技術動向調査、講演会・セミナー、見学会、産学官交流活動等を行います。
 必要に応じて、他の部会とも機動的な連携を図り、活動の最適化、成果の最大化を目指します。また、産業技術の早期の社会還元に向け、アカデミアと産業界の「橋渡し」を一層推進するため、研究奨励賞の効果的運用や、先端分野の若手研究者・技術者等の参画等にも注力して行きます。

課題例
□資源の確保・利用・循環に関わる環境技術
 ○再生可能資源の利活用(特に、化学品原料としての利用)
 ○CO2削減・固定化・有効利用
 ○石炭、天然ガス等の利活用(特に、化学品原料としての利用)
 ○3R推進技術(クリティカルメタルのリサイクル等)
 ○水資源管理・利用技術
 ○物質循環フローモデル(LCA等)
□産業の環境負荷低減に関わる環境技術
 ○省エネルギー、低環境負荷プロセス(環境調和型ものづくり)
 ○産業活動に伴い発生した環境負荷物質の高効率処理・低減、無害化技術
 ○環境保全・修復技術
□産業における安全性向上に関わる環境技術
 ○産業システム分析(持続性指標の見える化、資源性・経済性・社会受容性の評価等)
 ○安全性評価・管理技術、新材料のリスク評価・管理技術
 ○環境負荷物質等の計測技術、環境影響評価・予測技術
 ○環境規制を巡る世界の動向と、化学産業への長期的影響に関する追跡調査

 平成23年度、24年度は、水班、炭酸ガス班を設置し、水と炭酸ガスに関わる講演会活動を主体に活動して参りました。環境関連技術の紹介にとどまらず、水や炭酸ガスの基礎物性や理論的側面、水と炭酸ガスに関わる環境政策の視点なども積極的に取り入れて参りました。また、部会員相互の情報交換の場の提供、異業種工場の見学会活動にも注力して参りました。
 平成25年度は、その実績を踏まえて、水班、炭酸ガス班の活動を通して、個々の会社や研究所では総合的に取り組むことがなかなか難しい環境問題に対して、JACI部会としての横糸機能を引き続き果たすとともに、環境問題をビジネスとして捉える視点を強化して行く予定です。
 活動に際して、参画メンバーには、企画運営への積極的な関与を期待致します。一方で、必要最小限の作業で参画のメリットを享受できるよう、業務の効率化にも配慮します。参画メンバーのネットワーク・情報ソースの多様化を念頭に、入口・出口に関わらず、環境技術に対して異なる視点を持つ、様々な分野の方々からのご参加を期待します。

<H24年度の主な活動実績>
・ 環境技術に関して、多様な分野から講師を招き、講演会を開催(全6回:JACI内で5回、京都で1回)。
・ 講演会と同日に、部会ミーティングを開催し、部会行事の企画運営等について討議。
・ 上記の定期的な部会ミーティングに加え、メンバーの所属先等で特別ミーティングを開催し、環境技術に関わる研究開発や、製造現場等を視察(全3回:日産化学工業・生物科学研究所、旭化成ケミカルズ・延岡製造所、産総研・中部センター)
・ 最新の環境技術等をトピックとした、部会メンバーによる合宿形式の勉強会を開催(全2回:宇部興産・葉山寮、カネカ箱根山荘)
<H25年度の活動予定>
・ 上記の活動をベースとしながら、参画メンバーからの要望に応じて、新しい企画にも鋭意取り組み、活動の拡充を進める予定(例えば、特定の環境技術に関する基礎/応用セミナー等の開催など)


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