環境技術部会・講演会 『廃水処理と微生物燃料電池;新たな排水管理手法としてのWET手法』の詳細


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イベント名 環境技術部会・講演会 『廃水処理と微生物燃料電池;新たな排水管理手法としてのWET手法』
日時 2013-02-20 15時30分~18時40分
場所 当協会会議室
概要   講演(1)3:30~4:30pm
        受付は3:00pmからとなります。

  講師:吉田 奈央子(よしだ なおこ)氏
      豊橋技術科学大学 エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)
      テニュアトラック特任助教

  演題:「廃水処理と微生物燃料電池」

  要旨:微生物燃料電池(Microbial Fuel cell、以下MFC)は、微生物に
   よる有機物酸化で生じた還元力を電流として回収する技術である。具体
   的には、微生物と有機物を含むアノード部と酸素および酸素還元触媒を
   含むカソード部を導線でつなげた構造をしており、カソード反応は酸素
   を電子受容体とした反応を用いることが多く、触媒として微生物や白金
   が用いられることが多い。基本的なコンセプトが90年代に発表されて以
   来、2000年以降に実用化研究が活発化している。最大の特徴は、触媒で
   ある微生物の代謝が多様であるため雑多な有機物から電流を回収可能で
   ある点で、たとえば、海洋堆積物に陰極を設置、海上面に陽極を設置す
   ることにより自然環境中に存在する有機物を分解することで電流を回収
   するものや、廃水や生ごみといった廃バイオマスを燃料として電流を回
   収するリアクターなどが開発されている。そのような中、講演者は、
   MFCの主機能を担う電流生産微生物が酸化グラフェンを導電性材料と
   して知られるグラフェンに還元するという事実に着想し、微生物による
   電子供受の反応場としてグラフェンを用いたMFCを用いた汚染物質の
   分解技術開発に取り組んでいる。本講演では、MFCを用いた廃水処理
   の研究状況をレビューするとともに、講演者が取り組む酸化グラフェン
   を利用したMFCリアクターについて紹介する。

  講演(2)4:30~5:30pm

  講師:鑪迫 典久(たたらざこ のりひさ)氏
      独立行政法人国立環境研究所 環境リスク研究センター
      環境リスク研究推進室 主任研究員

  演題:「新たな排水管理手法としてのWET手法」

  要旨:全排水毒性評価(WET)とは事業所排水に含まれる化学物質を特定せず
   にin vivoのバイオアッセイの結果を利用して排水規制を行う方法であ
   る。工場排水中には複数の化学物質が含まれており、全ての化学物質に
   ついて濃度や毒性を把握するには多大なコストを要する。さらに、化学
   物質が共存する場合は相加的・相乗的および拮抗的な影響を持つ可能性
   があり、排水総体としての毒性を把握するのは困難である。そこで、WET
   では排水を生きている生物に暴露して、それらの反応を直接測定するこ
   とによって、総体としての影響を定量的に評価することを目標としてい
   る。また、排水が有害であると判断された場合は毒性削減評価(TRE)、毒
   性同定評価(TIE)を行い、削減対策をとることが義務付けられている。上
   記全てを指してWETシステムと呼ばれている。
   既に1995年から米国で実施されているが、他にもカナダ、欧州、オースト
   ラリア、韓国などで急性および慢性バイオアッセイ結果を基にした規制が
   行われている。日本でも環境省により2009年から生物応答を用いた排水評
   価管理システムの構築が検討されている。亜慢性・慢性試験は種の個体群
   維持、生態系の維持に寄与する繁殖や初期発達への影響を把握できること
   から日本国内でも米国同様短期慢性試験を基本にした評価・管理が適当で
   あると考えられる。

  懇親会 5:40~6:40pm
参加費・懇親会費について   参加申込:新化学技術推進協会のホームページよりお申し込みください。
        http://www.jaci.or.jp 

  参加費: 当日受付でお支払いください。
       会員:無料(会員リスト:http://www.jaci.or.jp/member_group/)
       コラボレーションメンバー(主催技術部会登録の方):無料
       コラボレーションメンバー(上記以外の方):5,000円
       上記以外:10,000円
  懇親会費:無料

  お問い合わせ先:新化学技術推進協会 事業部 event@jaci.or.jp
募集人数 100 人